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エグゼクティブ座談会 第一弾

クラウド電話サービス事業者トップによる座談会
日本企業は音声通信のDXを実現できるのか

グローバル市場において電話はAIとの融合など技術革新が進み、多くの事業者が生まれて新しい競争がおきています。一方で日本は技術開発や、利用・普及の両面で遅れをとっている状況にあります。

このたびJUSAでは会員企業であるUCaaS分野における海外の先端企業と、日本で代表的なクラウド系電話事業者を交えた座談会を開催し、現在の日本を取り巻く新しい電話・UCaaS市場の現状や課題、日本における音声通信の未来についてお話を伺いました。

▶️エグゼクティブ座談会第二弾「国内SMS事業者トップによる座談会」

−まずは、皆さんの会社について教えてください。

下垣:Zoom Video Communications Inc. の日本法人 ZVC JAPANの代表をしている下垣です。日本では2018年から事業を展開しており、今年で5年目になります。皆さんご存じの通り、Zoomはパンデミックがきっかけで有名になりましたが、基本的には人と人、企業と企業を結ぶコミュニケーションプラットホームを提供している会社です。最終的には総合的なコラボレーションプラットホームを世の中に提供し、シームレスなコミュニケーションを通じて、皆さんに幸せになっていただくというのが我々のビジョンです。

ZVC JAPAN 株式会社(Zoom) 代表取締役会長兼社長 下垣 典弘氏

日本オラクルにて専務執行役員、IBMでインフォメーションマネジメント事業やビジネスコンサルティング事業で執行役員パートナーを20年以上歴任。Amazon Web Servicesのエンタープライズ・セールス部門のディレクターとして活躍後、AI 検索のプラットフォーム Yext 社長兼 COO を経て、2022年にZVC JAPAN株式会社に入社、2023年3月より現職。一般社団法人日本スタートアップ支援協会顧問も務める。

尾身:インターメディア・テクノロジーズ・ジャパン合同会社の尾身と申します。本社はアメリカにあるUCaaS事業者で、NECさんと提携して、日本では2021年末からサービスを展開しております。約10年前から、アメリカではオンプレミス型(機器設置型)PBXからUCaaS(Unified Communications as a Service、サービス型UC)への流れが急速に高まっています。日本にもその流れがくるだろうと見ているわけですが、まだまだ市場が小さいのが現状です。今後、さまざまな仕掛けで市場を拡大し、並行して事業を伸ばしていきたいと考えております。

 

茂木:株式会社コラボスの茂木です。会社は2001年に立ち上げたので、もう20年くらいになります。設立当時の業界では、IPセントレックスという呼び方で、キャリア側でオフィスの電話機能を全部提供するサービスがありました。その中にコールセンターの機能もあったらいいと考え、コラボスを設立することになりました。現在も電話システムを提供していますが、コールセンターやCRMのほか、最近はAIなど少しレイヤーの高い方のサービス提供も始めています。

 

近藤:JUSA会長の近藤です。本協会の設立は2018年の夏頃、数社のUC(ユニファイドコミュニケーション)事業者が集まり、将来のサービスについて意見交換を始めたのがきっかけです。その後、便利がゆえにUCサービス犯罪利用が発生したり、パンデミックでUCサービスが急激に普及したりと、ここ数年で、UCの事業環境は本当に大きく変化しました。こうした中でJUSAは日本におけるUCの業界団体として、健全な業界発展を目指して活動しています。私自身は、株式会社まほろば工房という会社の代表も努めており、アプライアンス型のPBXやシステム管理者向けの自動発報サービスなどを開発し、提供しています。最近はCPaaSのサービスや、クラウド電話サービスも提供しています。

パンデミックが終わっても日本のUCaaS市場はもっと大きくなる

−クラウド系電話サービスにおけるビジネス面での課題を、どのように考えていますか。

尾身:当社は事業参入をしたばかりなので会社としての課題もありますが、日本におけるUCaaS市場はもっと大きくなると考えています。前職では長年、オンプレミス型PBXを中心にした企業向けのUCソリューションを日本と海外で販売してきました。米国では10年以上前からUCaaSが従来のオンプレミス型PBX市場を食う形で成長を始め、あるレポートによると現在では半数以上の企業がオンプレミス型PBXではなくUCaaSを選んでいるそうです。一方、現時点での米国と日本のUCaaS市場規模を比べると日本の市場規模は米国の3%にすぎません。元々米国のUC市場が日本の4倍であることを考えても米国に比べると日本のUCaaS市場は小さすぎます。通信においては歴史的に米国がいつも5年〜10年進んでいるので分からなくもないのですが、それにしても何でこんなに違うんだろうと思い、いろいろと調べてみました。

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インターメディア・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 社長 尾身 信氏

NECにて長年国内・海外のUC事業を統括。国内外のUC市場の知見と海外勤務の経験を活かし、2021年インターメディア(米国本社)に入社。同年日本法人設立を設立し、社長就任。JUSAでは政策部会に所属。緊急通報SG(Study Group)の主査として日本と主要な海外諸国の制度上の違いなどを調査しながらUC市場拡大に繋がる施策、政策関連議論をリードしている。

尾身:仮説ではあるのですが、日本特有の電気通信市場や規制などが要因ではないかと考えています。1つ目はIP電話の市場価格の課題です。弊社の場合、国内のあるキャリアからIP電話を仕入れるコストと、本社が米国で仕入れるコストを考えると桁が違うんです。厳密な比較ではありませんが、通話料金で比較すると日本は米国の10倍以上高い。2つ目は日本独自の規制です。例えば番号ポータビリティの制限、独自の音声品質基準、緊急通報禁止等です。結果的にUCaaSの事業者数が違います。米国ではFCC(Federal Communication Commissionの略で、アメリカ合衆国の米国連邦通信委員会のこと)においてInterconnected VoIPと分類されている事業者が約1000社存在します。日本では正確にはわかりませんが、数十社程度ではないでしょうか。様々な課題を解消することにより日本でもUCaaSがさらに発展していくと思っています。


下垣:「諸外国ではできるのに、日本ではなぜできないのか」という議論ができるようになることは必要なのかなと。これまでの当たり前に対して、JUSAというチームが業界の窓口となり、正しいことをやっていけるというのはすごく健全だと思います。


近藤:日本の通信市場は世界的に見てもオープンなのですが、UC領域においてビジネスをしようとするとまだ難しい点がいくつかありますね。このUCの時代に東京03などの固定電話番号の提供にあたって固定回線の敷設が必要であることはUC普及の面で早急に解決しなければならない大きな課題です。実質的に全国設備を保有する大手事業者に有利になっているだけでなく、意図せずとも法令が災害に脆弱なネットワークの構築を求めています。尾身さんが挙げられたような課題も含め、新規事業者が市場参入しにくいだけでなく、日本の事業者だけが日本独自の開発を強いられるためグローバル競争への足かせになる懸念もあります。これは目立たないけど重要な課題です。協会には海外進出に意欲がある国内企業もおられます。日本の音声通信市場がガラパゴスと呼ばれないためにも、環境の整備が重要だと思います。

企業価値向上のために経営者がUCに対する意識を変える必要がある

−DXが叫ばれる中でコミュニケーションの分野はどのように進化していくのでしょうか。

茂木:10年前は、クラウドPBXよりもアプライアンス型のPBXを使う方が圧倒的に主流でした。その後クラウド化し、さらに最近では、携帯電話にFMCを被せられたらいいという人もいます。日本企業のワークスタイルがパンデミックで大きく変わり、DX化という切り口も加わって大きく変わるチャンスなのかなと思います。技術革新がすすみ、料金面での競争も激しくなるでしょう。

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株式会社コラボス 代表取締役社長 茂木 貴雄氏

1972年生まれ。1995年4月、日商岩井株式会社(現双日株式会社)に入社。その後、アイ・ティー・エックス株式会社を経て、2001年10月に株式会社コラボスへ入社(出向)。同年、営業開発部長就任。2003年6月、株式会社コラボス 取締役就任。 2004年4月、株式会社コラボス 代表取締役社長就任(現任)。2005年4月、アイ・ティー・エックス株式会社を退社。

尾身:お客さまに選択肢を広げることが重要だと感じます。現在では、「設備設置は要りません、初期投資も要りません、月額料金はすごく安いです、業者と付き合う必要もありません」、そんな営業トークで販売しているサービスも多い。このように費用対効果を徹底的に追求したソリューションを望むお客さまもいれば、そうでないお客さまも多く存在する。もう少しお金を払ってでも、手間をかけてでも、いろんなことをやりたいという方がいます。6年、10年と使い続ければオンプレミス型PBXが安い場合もありますが、さまざまなお客さまとお話をしていると、数年に一度の稟議書を書くのが面倒だというお客さまがいます。ずっと続けていることなので、稟議に書くことがない。「以前に比べて便利になるの?」と言われても困ってしまうわけです。いろいろなお客様に対して幅広い選択肢を提供できるのがUCaaSの特徴で、UCaaSが今よりもさらに利用しやすいものになれば、お客様、ひいては日本の産業全体に大きなメリットがあります。通信の利用コスト全体が下がる仕組み、より使いやすい機能開発ができる条件整備、利活用の拡大促進、これが市場の拡大に繋がっていくと思います。まだまだやれることがあると思います。


下垣:マーケットの作り方もあるのかなと。私はIT業界から来たのですが、当時でいうと、例えばメインフレームを入れました、その後オフコンを入れました、そして今日パブリッククラウドになりました。しかし、それは必ずしも安くなっていない。日本人は何かを購入するROIを意識し過ぎているのではないかと思います。確かにCFOからすると、特に大きい会社では間接資材のアセットがバランスシート上減らせるからいいというのは多少あるかもしれませんが、フローで見たらおそらくお金が出ている。ビジネスはキャンプをしてるわけじゃない。不便を楽しむという会社であればいいと思うのですが、「新しい時代を一緒に作っていきましょう」ということを、我々がもう少し企業側にどうメッセージを伝えるかというのも私は大事かなと思います。若い人たちの当たり前を受け入れておかないと、優秀な人材が辞めてしまうというのは、経営者の皆様に一番伝えていることです。新しい人たち、海外から優秀な人たちが集まるような会社にするためには、普通にやられてることを普通にやらないと。JUSAの活動として政府との活動も非常に重要ではありますが、クラウドコミュニケーションの話、UCaaSの話はどうなっているのか、経営はそこを見ていないよ、というようなメッセージも出していけたらいいなと思います。

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一般社団法人 日本ユニファイド通信事業者協会(JUSA)会長 近藤邦昭氏

北海道出身。大手ISPや大手IT企業グループの研究開発会社などで通信事業用ネットワークの開発や・運用、研究開発に従事。2006年に「まほろば工房」を設立し、ネットワーク系技術開発企業としてコンサルテーションやネットワーク装置、UCサービスを提供している。2019年のJUSA設立から会長としてUCの普及に尽力している。

下垣:UCaaSの世界でいくと、現在の日本の当たり前は、海外に行くと当たり前ではなくなっているという話をもう少しお客様にフィードバックすることが必要だと思います。海外の先進的な企業では優秀な従業員の確保や競争力の向上のためにUCの導入は当然の投資であり何も説明する必要はありません。一方で、日本企業のCDXOと会ったときに「DXをやるんです」と言ってもUCaaSに進む人はほとんどいない。一方でIT企業のトップに対して、UCaaSや電話システムの刷新に関する提案を持っていっても「お願いだから、難しいことを持ってこないでくれ」と言われます。とにかく今のまま安全にいきたいと。そう考えると、ビジネスリーダーはIT企業のトップでもDX担当でもないかもしれない。Zoomはパンデミックの追い風もあり、社会の多くの場面で導入されました。Zoomは確かに使いやすく良いツールです。しかしこれからDXの風をどう作るかということ、特にグローバライズしたいお客さまに向けて、JUSAを通じてみんなで風を作っていけばいいのではないかなと期待するところです。


茂木:事業者の競争、技術開発やサービスの競争は非常に活発ですね。それとともに我々はお客様に新たな価値を認識してもらう活動がさらに必要なのかもしれません。 


尾身:お客さまへの働きかけでいうと、エンタープライズ向けと中小企業向けがあると思うのですが、やはり中小企業の方たちにどう訴求するかが重要だと思います。エンタープライズは全社的にDXに取り組んでいることが多い印象ですが、中小企業の方々にDXと言っても通じないケースが多いというのが私の肌感です。「このようにお金を使って、こうすると便利になるんですよ」という働きかけがしっかりとできるといいのかなと思います。


下垣:中小企業の経営者とお話をすると、その日に話が決まることもありますよね。一方で日本のエンタープライズ(大手企業)の社長だと、米国と違って部下にすぐ任せてしまうことがある。アメリカだと企業のトップは必ず専門的なことも学んで判断するのですが、日本では同席者に委ねられることが多い。そして同席した担当者が、いかに決めないかということを一生懸命やるわけです。そういう日本の封建的な風土に一石を投じられればいいと思います。

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人口減少・高齢化が進む日本においてUCaaSが生活インフラとして必要になる時代が到来する

−今後、UCaaSは私たちの生活にどのように浸透していくのでしょうか。

下垣:我々が高齢者になったとき、免許を返納して近くにスーパーが無い状況の中で、生活をしたり、病院に行ったり、ということを考えたらUCaaSがないと暮らせない。人口減少が進む社会において、どれだけ生産性をあげても、我々がどこに住んでいても、より良い生活ができるようにするにはUCaaSが生活インフラとして絶対に必要になる時代が到来するでしょう。だからこそ、一緒に老後をデザインしていかないといけないと思います。UCaaSがなければ生きていけない。笑い話みたいですが、それくらい日本にとってはクリティカルなことだと思っています。


近藤:私は北海道の小さな町の出身ですが、地方医療にもUCaaSが普通にあって、過疎地の方にもセカンドオピニオンを選択できるようにしないといけないと強く思います。UCaaSでセカンドオピニオンが選択できたら住民、地方の病院、都市部の医師、全てにとってメリットが大きい。地方も都会と同じようなクオリティのライフライン、サービスを受けられるような環境、プラットフォームを作っていくことは重要だと思います。


下垣:例えば、各病室において、優秀な看護師、または勤務医らが内科医でも脳外科医と容易につながることができたら、すぐに所見が取れる。米国などではスムーズに行われていることです。

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新しい産業が生まれ、力強く成長していくことが今の日本にとって最も重要

−業界活性化のために、JUSAがこれからやっていくべきことは。

茂木:JUSAのさらなる広報活動が必要ですね。UCaaSを使うことで効率的になり、創造的な仕事ができる。また、若い人や女性、ご高齢の方も、地域の方も場所や時間を気にせず楽しみながら働くことができる。そういう世界を上手くマーケティングするのは重要だと思います。


下垣:やはり世の中を変えるのは学生だと思います。例えば文部科学省が進めているGIGAスクール構想ではUCaaSコミュニケーションの議論が入っていない。UCaaSのインフラを若い人たちに使ってもらうために、JUSAとして何らかの形で学生に向けたアプローチをしていくということが大切なのかなと。リモートワークもできず、UCaaSも使えない会社に若者が愛想をつかす時代はもうすぐだと思っています。なぜならば、今年4月に入学した大学生は、高校三年間をパンデミック下で過ごしたUCネイティブ世代でもあるからです。さらに学生に向けて、これまでの通信事業の歴史を伝えていったり、諸外国とのギャップを知ってもらえるような機会ができたら面白いかなと。ビジネスに直結しないかもしれませんが、絶対やらないといけないと思います。


近藤:JUSAは千葉県館山市、静岡県松崎町と西伊豆町の3自治体と4者で包括連携協定を結び、学生向けにICT教室や国際会議への派遣などを実施しています。若い人たちがICTを使いこなし、将来ICT分野で活躍してほしいと思っています。また、海外の市場や規制の調査や政策議論、アンケート等によって国民の電話に対する意識を測る市場調査などを行っており、日本の産業力向上、国民の皆さんが幸せになる通信のありかたを考えています。大変ではあるのですが会員の協力を得ながらがんばっているところです。今後は活動をさらに活発化させ、市場の拡大を図っていきたいですね。


茂木:私も、UCaaS業界の発展にはJUSAのプラットフォームを強固にしていくことが重要だと思います。新しい産業が生まれ、力強く成長していくことは今の日本にとって最も重要です。産業の育成には、業界が一丸となって議論・推進していくことが必要ですね。

JUSAの一員になることで、日本のUC領域で先頭を走ることができている

−最後に、JUSAに入会して良かったことを教えてください。

尾身:入会後、JUSAがさまざまなステークホルダーとたくさんのコミュニケーションをとっていることが良くわかりました。これ程までしないと仕組みを変えられないのかという思いがある一方、JUSAがUCaaS業界の発展、日本の発展のために活動しているということを、すごく心強く感じています。困ったときは助けてくれますし、私自身もとても勉強になっています。会員目線でJUSA加入の魅力を3つお伝えするとしたら、1つ目は政策の今後の方向性について、いち早く直に触れ、自社の事業戦略に反映することができること。2つ目は、同じUCaaS事業者の方たちとコミュニケーションができること。エネルギーをもらいながら一緒に悩み、解決することができます。3つ目は、電話サービスの法令遵守や事業継続性が担保できること。JUSAにいれば、知らぬ間に法律違反してしまうという事態を避けられますし、我々の番号が突然利用停止されることはなくなります。差別化になりますし、事業を健全にかつ安定的に行っていくためにも、JUSAへの加入は必要不可欠だと思います。

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近藤:総務省や主要な関係者と幅広くつながり、議論させていただきながら信頼関係を構築できたことは非常によかったと思っています。JUSAを設立した2019年当時、我々の最初のコミュニケーションは、関係者に「UCとは何か」を説明するところから始まりました。現在は業界団体として多くの政策議論にも参加させていただいています。普通の事業者であれば施行された法令に従うだけですが、JUSAは法令の改正プロセスから意見を述べ、会員の意見を吸い上げながら政府や議論させていただいています。我々は我々の立場で社会的責任を果たしながら、総務省や警察の方をはじめ、政府の皆さんと産業のあるべき姿、公正な競争と発展を一緒に考えていく必要がある、それが協会の役割だし、責任だと考えています。とてもやりがいがありますし、執行メンバーや会員の皆さんの大きなモチベーションになっていると思います。


下垣:日本の産業の発展のために、政府や政治とできるだけ多くの議論を行っていくことは本当に重要だと思います。また、あまり表には出ていないですが、電話をかけた際に聞こえる例の「プププ」という識別音の規制対応についてもです。日本ではインターネットを使うようなUCaaSサービスには通知音を入れる義務があるのですが、このような通知音鳴動の規制や、音声品質の基準があるのは、世界を見回しても日本だけです。国民にはその音を識別できないことが市場調査からも明らかになっており議論が望まれていました。ただ何より、JUSAがあのような議論に参加し、総務省や警察庁の方々、関係者の皆さんと真剣に対応されていることが本当に素晴らしいことだと思います。この大変さはなかなか理解できないものだと思うので、業界の中ではきちんと賞賛したいと思います。総務省さんと共に議論しながら細かな詰めを行っている過程だと聞いておりますので、引き続きお願いいたします。
最後に、JUSAは社員のモラルにすごく良い影響を与えていることです。我々は法令を遵守し、善良な社会の一員として活動し、そして社会の悪に対処する正しいプロセスを持っている。それはJUSAのおかげです。JUSAと繋がることによって、会社として世の中で起きている様々な事案に余裕を持って対応ができています。困ったらJUSAがバックアップしてくれますし、ときにはJUSAが我々をサポートして調整を行ってくれます。社員目線では、自社はきちんと対応ができる会社だという認識ができ、帰属意識やモチベーションも上がります。我々は特に日本ではまだ成長段階の会社ですが、こう思えているのがJUSAのおかげかなということで感謝しています。


茂木:当社は、電気通信事業法の対応に悩んでいたときに弁護士に紹介されて入会しました。同時期に、お付き合いのあるお客様からもJUSAに所属しているかどうかの問い合わせがありました。JUSAに入っていれば安心して取り引きができるためとのこと。これは弊社だけでなく、他の会員企業の皆さんも同様のようですね。それと、総務省や警察庁とJUSAが運用している電話番号の停止スキームです。事業継続性が担保できることはJUSAに加入する大きなメリットだと思います。我々の事業継続性は、お客さまの事業継続性に直結します。このスキームによりお客様は安心して電話を使うことができます。すでに議論が進んでいるようですが、今後はJUSAの会員のような善良な事業者の見える化、差別化ができるような仕組みも取り入れてほしいと思います。


近藤:JUSAは設立時に決めた3つの活動目標があります。1つ目はサービスの健全な普及。2つ目は事業環境の整備。そして3つ目は、新たな社会問題への対処です。特殊詐欺犯罪など電話を使った犯罪の撲滅のために努力するということです。設立から3年余りですが、最近では「JUSAの会員企業なら安心だね」という言葉を、さまざまな立場の方からいただけるようになりました。一般社会に大きく見えることはないのですが、皆さまには着実に評価していただいていることを実感しています。今後も、意欲や競争力のある事業者の皆さんと共に、総務省を始めとした関係者と新しい産業、新しい社会を創っていきたいと思います。

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JUSAへの入会をご検討の企業様は、こちらをご確認ください。

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